行年(享年)

1 行年(ぎょうねん)は「生を行じてきた年数」、享年(きょうねん)は「生を享受してきた年数」という意味で、全く同じです。
 どちらを記述してもかまいませんが、「行年」を用いている宗派が多いです。
2 仏教は、行年を数え年(正式には陰暦数歳)で計算します。
 これは生命の誕生を出産の日時ではなく受胎の時とみる、仏教独自の生命観によるといわれています。
3 太陽暦(現行の暦の数え方)が誕生日に年齢を加えるのに対し、陰暦(太陰暦)は正月元旦に歳を加えます。
 ですから陰暦で計算する行年は、
     A  誕生日前にお亡くなりになると、満年齢+2歳
     B  誕生日後にお亡くなりになると、満年齢+1歳
 ということになります。

享年を満年齢と思っている方もあります。
また、報道などで「享年〇歳…」と言っているときは、だいだい満年齢が多いです。
日々の生活と、仏教的に表すときと違うと理解して頂いてもいいでしょう。
また、地方によっても違います。
いずれにしても陰暦が日々の生活と離れて来ていますから、仏教的意味を理解すると分かってきます。